
全米決勝で敗れたジョコビッチですが、改めて言うまでもなく良い選手ですね。
動きがダイナミックで、観てて爽快感があります。
フルスイングのショットは威力充分ですが、
かと思えば差し込まれた球の処理も上手く
今後更に多彩さを身に付けていく要素も備わっているように思います。
これはもう完全に一時の勢いではないでしょう。
ラケットスイングはコンパクトですが
強打のときに見せる体全体を使ったシャープな振り抜きは実に印象的です。
ブロックショットの延長に強打があるのであらゆる状況に対応できます。
足も速く守備力にも長けている選手です。
今のテニス界では守備的なショットがあるというだけではダメで、
それが攻防一体のショットでなくてはなりません。
追いつきざまのボールでもエース級の返球ができるという、
正にフェデラーやナダルを他の選手から大きく抜きん出させている武器ですが
ジョコビッチにもそれが備わっていると感じます。
自分から強打で主導権を握ることもできる上に、
相手に主導権がある場面でも形勢逆転の一撃を持っているという点で
ラリーの強さは現在のツアーでも屈指と言えるでしょう。
フェデラーとまともに打ち合える選手が他に何人いるでしょうか。
その伸びやかなバックハンドのフォームはメチージュをイメージさせます。
メチージュもまたカウンターショットに定評のあった選手です。
グランドスラムで何度かみせたベッカーとの対戦は正に「柔対剛」でした。
どんなに追い込まれても巧みに返す技はジョコビッチにも共通しています。
しかし、強打の威力はジョコビッチのほうが遥かに上です。
メチージュ級の技を持っていながら屈指の強打を持っているという点で
正に21世紀的な選手と言えるのではないでしょうか。

フォーム比較(こうしてみると多少違いますね)
心配事もあります。
まず、荒さです。ここは今後修正していける部分だと思いますが
集中を欠いて乱暴に打ち返すだけのときもしばしばみられます。
もっとも、ジョコビッチはまだまだ全然良いほうで、
もっと手の付けられない選手も多くいますからこれはさしたる問題ではないかもしれません。
むしろナダルのように10代から落ち着き払っている選手のほうが異様なのでしょう。
サーブは威力は充分ですが、改善の余地はあると思います。
なにせ、最近はサーブの重要度が落ちてきていたところですが
スピードを上げずとも使い方でいくらでも強力な武器になる、
という実例をフェデラーが身をもって示してくれました。
今後、若手がこの教えを活用しない手はないでしょう。
そして一番の不安は、体があまり強くないことです。
病気や怪我が多いのは気になります。
サーブのときに大きく背中を反るフォームは、
威力アップには役に立っていると思いますが
かつてエドバーグが大きな負担を抱えてしまったことが
頭をよぎってしまいます。
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テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2007/09/11(火) 12:26:55|
- 雑記
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