年間全ベスト4については例も少ないですし、
しばしば取り上げてきていたので問題なく話題にできていたのですが
全ベスト8となるとこれまでしっかりと調べたことはありませんでした。
前記事のコメント欄で話題に上がりましたのでせっかくですから調べてみました。
以下22例がオープン化後からこれまでの全ベスト8達成例です。
《年間GSベスト8達成者。
赤色は現役選手》
年 | 名前 |
1969 | レーバー |
| ローチ |
| ニューカム |
1983 | レンドル |
1985 | マッケンロー |
1986 | レンドル※ |
1987 | レンドル |
1988 | レンドル |
| ビランデル |
1991 | エドバーグ |
1993 | サンプラス |
1995 | アガシ |
2001 | アガシ |
2005 | フェデラー |
2006 | フェデラー |
2007 | フェデラー |
2008 | フェデラー |
| ナダル |
2009 | フェデラー |
2010 | フェデラー |
| ナダル |
| ジョコビッチ |
※1986年は前年12月と翌年1月に全豪が開催されたため3大会しか行われませんでした。
変則的であり、この年を記録に含めるかどうかの議論もあると思いますが
レンドルは前年12月も翌年1月もいずれもベスト8をクリアしているので
記録に含めて問題ないと思います。
また、変則といえばオープン化後最初の年である1968年も1月の全豪はオープン化前になるので
3大会しか行われていないことになります。また1977年については全豪が1月と12月に開催され、
計5回グランドスラムが行われたことにあります。
ただどちらの年も全てでベスト8を達成した選手はいませんでした。
この22例を多いと捉えるか少ないと捉えるか意見の分かれるところでありましょうが
選手の顔ぶれを見ればなかなか難しいのだということがわかります。
ナスターゼ、コナーズ、ビラス、ボルグ、ベッカー、クーリエなど
グランドスラム実績のある大物何人かの名前が入ってないのもそうですが
ゲルライティス、メチージュ、シュティッヒ、カフェルニコフ、ナルバンディアンなど
地味に好成績を残している名手系の選手が一人も入っていないのが意外でした。
強いて言えば1969年のローチが唯一それ系の選手と分類できるでしょうか。
この意味で、本当の実力者が達成できる記録なのだと言っていいと思います。
複数達成も少ないです。選手別に見ていくと、
フェデラーが6回(!)、レンドルが4回、アガシとナダルが2回です。
これだけとは意外でした。正直もう少しあるんじゃないかと思っていました。
さて、複数選手が1年同時に達成するとなると更に例が少なくなります。
それが3人同時となると過去2例だけです。オープン化後翌年に3人の達成があり、
そしてその後ようやく去年、2度目の達成が行われたことになります。
今年は4人に可能性がありますので、2年連続で複数達成ということになったら快挙ですし
それが3人達成ということになったら更に凄いことで、
もしも、4人であったらそれは初の記録ということになります。
今年はフェデラーが7回目、ナダルが3回目、ジョコビッチが2回目、
マレーが初めての達成をかけて全米を戦うことになります。
この点に注目して大会を見てみるのも面白いかもしれません。
最後にこれまでのグランドスラムベスト8での選手別の勝率を表にしてみました。
集計条件はオープン化後でベスト8に5回以上進出している選手です。
《グランドスラムベスト8勝率。出場5回位以上。70%以上。
赤色は現役、
青色はオープン化前からの選手》
名前 | 勝利 | 敗戦 | 勝率 |
ラフター | 7 | 0 | 100.00% |
フェデラー | 27 | 4 | 87.10% |
ローズウォール | 13 | 2 | 86.67% |
レーバー | 6 | 1 | 85.71% |
レンドル | 28 | 6 | 82.35% |
ボルグ | 17 | 4 | 80.95% |
ヒメノ | 4 | 1 | 80.00% |
サンプラス | 23 | 6 | 79.31% |
ベッカー | 18 | 5 | 78.26% |
ナダル | 14 | 4 | 77.78% |
サフィン | 7 | 2 | 77.78% |
コナーズ | 31 | 10 | 75.61% |
クーリエ | 11 | 4 | 73.33% |
エドバーグ | 19 | 7 | 73.08% |
マッケンロー | 19 | 7 | 73.08% |
ゲルライティス | 8 | 3 | 72.73% |
アガシ | 26 | 10 | 72.22% |
マレー | 5 | 2 | 71.43% |
ビランデル | 14 | 6 | 70.00% |
1位はまさかまさかのパトリック・ラフターでした。勝率は驚きの100%!
その他、80%の顔ぶれも凄いです。フェデラー、レンドル、ボルグは想像できますが
残りの3人はオープン化前が全盛期の当サイトでいういわゆる青色選手です。
ベスト8で勝ち上がるというのもなかなか難しいということなんですね。
70%代の選手たちの顔ぶれも壮観です。
この中でもゲルライティスと現役マレーの健闘が目立ちます。
現役4強で唯一ジョコビッチのみが欄外となりました。
しかし勝率は66.67%で、実はこの表の時点につけています。
全米後の集計だったら表に入ってきているかもしれません。
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テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ
- 2011/08/08(月) 13:55:11|
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| コメント:4
こんばんは。
ラフターの勝率は見事ですね。
…が、そういえば少し前にクイズを出したときにこのことに触れていたのを思い出しました。このときラフターの準々決勝勝率が100%であることに言及していたような記憶があります。
- URL |
- 2011/08/08(月) 14:27:02 |
- 2R #2mo2qD.Q
- [ 編集]
年間全グランドスラムベスト8記録って、達成者は意外と少ないんですね・・・ベスト4記録が少ないのは当然ですが、各時代のトップ選手なら、それなりの安定感でベスト8くらいは入っていると思ってました。
今年はなんだかんだでビッグ4は安定してますね。上4人で潰し合ってることが多いというか。ビッグ4以外の選手がベスト4に入る隙があまりにも小さすぎて・・・今年はフェレール・ツォンガのみですね、去年だったらグランドスラム決勝にソデルリング・ベルディフが残ったことを考えると、ビッグ4以外はそもそもベスト4に残ること自体が挑戦、みたいな空気になっているかもしれませんね。
USオープンがどんな結果になるか注目ですが・・・4人うちのどのブロックにデルポトロが入ってくるか、結構大きなポイントになるような気がします。デルポトロはローランギャロス・ウィンブルドンとドロー運がなかったせいか、まだ世界ランク20位付近にいるのが不気味な気がします。もちろん、カナダ・シンシナティの結果次第でもうちょっとシード順は上がるかもしれないですけど・・・。
記録達成という点でみれば、マレーorフェデラーのところに入ってしまうのが個人的に怖いです。マレーは去年ワウリンカにやっつけられたことが気がかりです。フェデラーは今年のウィンブルドンを見て、デルポトロが良いプレーをしたら以前のように抑えつけられないんじゃないか・・・?と思っています。
いっそジョコビッチのところに入ってしまえば、一番安心なんですが・・・(^^)。
- URL |
- 2011/08/09(火) 05:05:21 |
- toto #-
- [ 編集]
>2R様
そうでしたね。たしか以前にクイズを出していただいております。私も記憶があります。
このブログはコメント欄の書き込みが検索できないのがちょっと残念なところです。
その他であれば不満はないのですが。
>渚様
ラフターは跳躍するかのようなネットプレーを魅せる選手でしたのでかなり人気がありました。
元No.1ですし、全米も連覇してますから実績のほうも十分です。
ただ地元の全豪でのみ良い成績が出せなかったんですが
引退する最後の年に初めてベスト4に進出したのが印象的です。
>toto様
私もデル・ポトロの存在が面白いと思います。
カナダではご希望通りジョコビッチのところに入りましたね。
ただ、デル・ポトロにしてみたら一番入りたくない場といえますので
ドロー運が無いということでもあり少し可愛そうにも思います。
ただ、それは下位シードを抜け出せばいいだけの話ですからね。
しっかり実績を作っていけばまた第5シードや第4シードに返り咲くかもしれません。
- URL |
- 2011/08/09(火) 10:58:03 |
- Au-Saga #3/VKSDZ2
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