レンドル最強説&フェデラー最強説blog

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2012年ウィンブルドン直前、アンディ・マレー考

murray-6a.jpg
というわけでマレーです。

前記事での疑問、マレーって強いのか?ですが、果たしてどうなんでしょうか。

いや、実は強いんです。思い返してみましょう。
なんだかんだで4強と言われるだけあります。
最高ランクは2位ですし全グランドスラムでベスト4に進出しています。
こんな選手は歴史上そう多くありません。
タイトル数22も立派です。

ただ、強いんですがちょっと休みが多いんですかね。気持ちの休みといいますか。
デル・ポトロが伸びてきた時も既に4強と言われていた時代であったにも関わらず
第4シードの座を譲ったこともありましたし意外な早期敗退もしばしば見せたりします。

まずはマレーは今後1位になれるか、気になる点です。

以下はこれまでの最高位No.2選手の一覧です(1973年ランキング制度以降)。

オランテス(1973年)
ローズウォール(1975年)
ビラス(1975年)
アッシュ(1976年)
シュティッヒ(1993年)
イバニセビッチ(1994年)
チャン(1996年)
コルダ(1998年)
コレチャ(1999年)
ノーマン(2000年)
ハース(2002年)
マレー(2009年)

総勢12名。歴代1位よりも数は少ないです。

rosewall-1a.jpg
このうちローズウォールは当時40歳(!)
もちろんランキング制度発足以前にはNo.1になっている選手なので
実質除外していいかもしれません。

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マレーの前には先週のハレで見事な優勝を飾ったハースの名前が見えます。
実はこれらの選手の中でグランドスラム決勝経験のない唯一の選手がハースなのです。
ではハースだけが劣っているのかというとそれは違います。
グランドスラムのベスト4進出は4回もありますし、何よりどのコートでも戦える選手で
全てのコート種別で60%~65%と実に安定した勝率を残しています。
グラス、クレー、ハード、インドア全てでタイトル獲得経験があります。
ストロークは旧時代の生き残りとも言うべき片手打ちバックハンドですが、安定感があります。
現在の基準、特に全仏のナダルvsジョコビッチを観た後だとさすがにパワーに差があるようには感じますが
10年ほど前の当時はストロークも力強く、パワーと技術を兼ね備えていて
なおかつネットプレーもこなすという時代の先端を行く器用な選手でありました。
当時はサフィンやロディックといった大型パワー系ストローカーと
ヒューイットやハースといった万能型ストローカーとの間で覇権争いがなされていたと思います。
有利と思われていたパワー型は結局押される形となりました。
ヒューイット、そしてフェデラーが天下を取ることになります。
ハースに関して言えばやや器用貧乏なところはあったと思います。
全てが万能ではあるけれど全てが最高ではないという部分で、
惜しくもNo.1にそしてグランドスラムに手が届かなかったのかもしれません。
それでも、先週の活躍は万能型の選手の息の長さを物語るものであり
他の多くのベテラン選手を勇気付ける素晴らしい活躍だったと思います。

というわけで、ハースはとてもよい選手ということでした。

あ、いや、すいません、マレーの話でしたね、失礼しました。

murray-3a.jpg
マレーは全てのグランドスラムでベスト4に進出していますが、
歴代No.2の中でこれを達成している選手は殆どいません。
一応ローズウォールがやってますが別格ですのでこれを除くとあとはシュティッヒだけなんです。
(一つだけがベスト8という惜しいのは結構います。オランテス、ビラス、アッシュ、チャンの4名。
 イバニセビッチとコルダは2つがベスト8でした)
マレーのどの大会でもしっかり勝てるという力は大きいと思います。

ただ、優勝となると少々遠いのが現状です。
上記表で面白いのは一番上のオランテスからコルダまでは全員グランドスラム優勝経験者ですが
それ以降のコレチャからマレーまでは全員優勝未経験となっているのです。
グランドスラムとNo.1というのはイコールではないですが、
近年は特に切り離せない関係になっているのだということが言えると思います。
マレーも現在のところこれに追随しているわけですが最終的には打破したいところでしょう。

roche-2a.jpg
歴代No.2の中でマレーが誰に似ているのか、ということを考えますと
私は表の中には入っていないですが、トニー・ローチではないかと思います。
ローチはランキング制度発足よりも前にランキングNo.2になっていた選手です。
今ではコーチとしてのほうが有名ですが、選手としても素晴らしい実績がありました。
一応オープン化前の全仏で一回優勝していますが、
今日ではグランドスラム優勝はオープン化後の記録で語られます。
ローチも全盛期はオープン化直後になると思いますので
オープン化後に一回はグランドスラム優勝をすべきだったと思います。
ローチは1969年には全グランドスラムでベスト4に進出するなど活躍しました。
しかし最後まで優勝は出来ませんでした。
何と言っても前時代の偉人、ロッド・レーバーがいましたし、
同年代のライバルとしてジョン・ニューカムがいました。
実績充分でありながらフェデラーやナダル、ジョコビッチに阻まれている今のマレーに類似しています。
そしてもちろんですが、これはあくまでも今現在のマレーとの比較です。
今後マレーはグランドスラムを取る可能性もランキング1位になる可能性もあるわけで
昔はローチに似てたね、ということになるかもしれません。
もちろん実際にそうなってほしいと願います。

djokovic-9c.jpg
さて、そのマレーですが、現実には4強の一画とはいえども3強には大きく水を空けられています。
その原因の一つにクレーコート適性があると思います。
近年はコート種別による差がなくなってきているとはいえやっぱりマレーはクレーが苦手です。
しかし、苦手なら苦手なりの戦い方でもいいと私は思います。
現にマレーは去年、全仏でベスト4に入りました。充分な活躍です。
今年はベスト8でフェレールに敗退しましたが、状況を考えればやむなしだったと思います。
もちろん理想は勝つことだったでしょうが、長い目で見ればまだまだ納得できるレベルの敗退でした。
苦手のクレーとはいえ、そこそこの成績を残していればいいんです。
ある時期のハードでのナダルがその典型例です。
元々ハードが得意でない上に疲労や怪我で思うように勝てなかったナダルは
優勝しないまでもコンスタントに準決勝辺りまで進むことでツアーをこなしていきました。
最終的には様々な選手に負けはしていたのですが、
苦手のハードでもある一定の成績は残せたことになります。
なんだかんだで試合数もこなせます。これも意味のあることです。
その後ナダルはハードコート常勝とまではいかないまでも
全米でも全豪でも優勝、準優勝を繰り返す選手になりました。
マレーもクレーで無理して勝ち続けなくても、ある一定の成績を残していればいいんです。
そうしているうちに、クレーのタイトルが獲得できる日が来るかもしれませんし、
クレータイトルは獲得できないまでもクレーシーズン中に試合勘が磨かれて
得意のグラスシーズンになると同時に一気に爆発する、
というストーリーも組み立てられるようになります。

murray-4a.jpg
しかし、今のマレーはコンディションがベストではないようです。
プロだからそれを言い訳にはしないでしょうが、やはり心配です。
今年はロンドンオリンピックがあり、マレーとしては見せ場が例年以上にあるのです。
例年以上に見せ場を作らなくてはいけないと言ってもよいでしょう。

今回のクイーンズは実はチャンスでした。
毎年ハレに出場するフェデラーはまだしも、ジョコビッチがいない、ナダルもいない、
自分以外の上位シードは軒並み早期敗退、自身は全仏でそこそこの成績を収めたものの
ベスト8敗退だったのでグラスシーズンに入るための準備期間も多めに取れていた等々、
マレーが勝つための演出は完全に出来上がっていたことになります。
それなのに早期敗退。多分に運も絡む要素なのでしょうが、
チャンスをモノにできないというのは癖になってくるのではないかと気になります。

もちろん、前哨戦でパッとしなかったのにウィンブルドンではまさかの大活躍、
といった例も過去には多くありますのでまだまだどうなるのかわかりませんが
今年はマレーにかかる期待はいつもとは違うのです。

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マレーにはもうひとつ問題があります。
ウィンブルドンで活躍していないという点です。
確かにここ3年連続してベスト4に進出してはいます。
しかし、果たしてそれを充分な活躍と評価していいのでしょうか。
ファンはマレーに第二のティム・ヘンマンになって欲しいわけではないと思うのです。
イギリス人選手はこれまでにもグレッグ・ルゼドゥスキー、ジェレミー・ベイツ、
ロジャー・テイラー、マーク・コックスなどがいて、
マレーはこれら選手よりは実績を上げているといえるでしょう。
しかし、ファンはマレーに第二のフレッド・ペリーになって欲しいはずなのです。

nadal-9a.jpg
マレーはこれまでウィンブルドンでナダルと3戦して全敗しています。
フェデラーやジョコビッチとは対戦してません。
ドロー運もありますが充分に勝ち上がってないことの表れでもあります。
これまでもロディック、ガスケ、ハース、フェレーロ、ツォンガ
といったところには勝利していますが、3強には勝ってないのです。
グランドスラム全体でもナダルに2回勝っているだけで
対3強合計では2勝10敗と大いなる負けっぷりです。
ナダルからの勝利も1回はナダルの途中リタイアでしたし、全部で6敗もしています。
またフェデラーには総合の対戦成績では勝ってますが
グランドスラムに関しては0勝2敗だし、ジョコビッチにも0勝2敗です。

さあ、どれだけマレーが強いかわかっていただけたと思います。

ん、そうでもない?

いや、まあ、グランドスラムはさすがに少し分が悪いかもしれないです。

大丈夫、今年はオリンピックがあります。
オリンピックでの躍進、期待したいじゃないですか。

前回の北京の結果を振り返ってみましょう。
まずシングルスですがナダルが金メダルを手にしました。さすが。
ジョコビッチは準決勝にまで進出しナダルに敗退しました。
フェデラーはダブルスで金メダルを取りました。こちらもさすが。
で、マレーは・・・台湾の盧彦勳(当時ランキング77位)に初戦敗退・・・

ん~結論。

マレーはコーチが良い。
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テーマ:テニス - ジャンル:スポーツ

  1. 2012/06/19(火) 12:09:45|
  2. 雑記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:10
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コメント

全英・オリンピックを前にすごい更新頻度ですね。
今回も面白おかしく読ませてもらいました。

2011年は非常にいいところまで来ていたので後、1歩何かきっかけがあれば爆発してくれると思うんですが・・・
コーチに期待ですね!
  1. URL |
  2. 2012/06/19(火) 12:39:57 |
  3. #-
  4. [ 編集]

早速のコメントありがとうございます。

ちょっと前に長文を反省しておきながらまた長々としたものをすいません。
なるべく退屈しないように画像を多めにはさんでおります。

読みなおしてみましたが、ハースとかローチのくだりは
それだけで一記事でもいいくらいですよね。
まあしかし、そのペースでは本番に間に合わないので。
これでも書きたいこと随分絞ったんですが。

マレーのコーチについての暖かいコメントもありがとうございます。

なお、当ブログでは同コーチに対しての、結果が出せていないではないかとかの
冷静で当然な批判は一切禁止となっておりますのでどうぞご了承ください。
  1. URL |
  2. 2012/06/19(火) 13:23:05 |
  3. Au-Saga #3/VKSDZ2
  4. [ 編集]

北京決勝

北京オリンピックですがナダル対ジョコは準決勝です。

この大会の準優勝はF・ゴンサレスですね。
  1. URL |
  2. 2012/06/19(火) 13:50:21 |
  3. 2R #2mo2qD.Q
  4. [ 編集]

>2R様

ああ~大変失礼しました。
最近私こういうミスが多いですね。
そして2Rさんにご指摘いただくという流れになっています。
決して直して欲しくてわざと間違えているわけじゃないんですが。
記事の方修正しました。
いつもいつもありがとうございます。
  1. URL |
  2. 2012/06/19(火) 16:06:32 |
  3. Au-Saga #3/VKSDZ2
  4. [ 編集]

お久しぶりです。最近コメントを書く機会がなかったんですが、いつも楽しみにしてます。

最高2位の選手たちを見てて思ったのが、連勝が少ないことが特徴的ですね。シュティッヒにせよ、ハースにせよ、チャンにせよ大物食いはするんですが続かないんですよね。後、フォアの威力が一位を取った選手と比較するといまひとつというのが個人的な印象です。90年後半のスペインのクレーコーターもなんだかんだフォアが一番強いモヤだけが一位を取っている訳で。もちろん、例外もいます。リオスはまとまって連勝してたと言う印象はないし、エドバーグのフォアは彼のボレー、バックと比較すると見劣りすると 思います。

問題のマレーですが、2位を取ったときはフェデラー、ナダルの不調が大きな要因で、これといった連勝があった訳でもなく、フォアはやはりナダル、フェデラー、ジョコビッチの方が上かなと思います。最高2位の選手の先輩方に近い(笑)今の4強も下が育ってないからというのが大きいのではないでしょうか。

と、マレーにダメ出しをしてしまいましたがこのダメ出し似たようなことを言われていた人がいました。アガシ、レンドルです。両者もなんだかんだ1位になるのに時間がかかりましたが、自分のストロークスタイルを見つけてからは強かった。ちょうどコーチなんだから聞けばいいのに(笑)
  1. URL |
  2. 2012/06/19(火) 16:29:53 |
  3. マックスサフィン #-
  4. [ 編集]

管理人様怒涛の更新すごいです・・・こんなにまとまった記事を量産できるとは。

やはり今一番活躍して欲しいのはマレー・・・なんですよね。なんか毎年そろそろか?と言われ続けてもう25歳ですからね。25歳ピーク説が確かなら、マレーは今一番活躍して欲しい時期ではありますよね。

そしてなにより、BIG4の中でどうしても見劣りしてしまうものですから・・・フェデラー、ナダル、ジョコビッチがマレーの全盛期(と思われる)にライバルとして立ちはだかっているのが選手としてはあまりにも酷とも思います。しかし選手である以上、今の状態にマレー自身が満足しているわけもないと思うので、上の3人をやっつける姿を見せて欲しいと思うのはファンの贅沢かな?

マレーに必要なのは、1位になることよりもとにかくグランドスラムでの優勝!と個人的に思っています。ジョコビッチが一時期弱気になった時期もあったと聞いたことがありますが、マレーはずっと状態なんじゃないかと。周りからも言われるし、なにより自分がいちばんよくわかっているでしょうから、グランドスラムで優勝できるということを自分自身に対していい加減証明しないといけないのかな?1位になるのとグランドスラムで優勝するのとどちらが可能性があるかと考えると、上3人の安定した成績を考慮するならやはりグランドスラム優勝のような気がします。それがウィンブルドン優勝ならなおさら最高です(笑)

しかしマレーがこんなにも周りにいろいろ言われるのも彼自身が安定した成績を残しているからこそ、並の選手なら過度の期待はされませんからね。ココ数年いつももうちょっとで・・・という位置にいて、そのもうちょっとがあまりに長すぎるのが余計に悪い意味で目立ってしまってるんですよね・・・。
  1. URL |
  2. 2012/06/19(火) 18:53:42 |
  3. TOTO #-
  4. [ 編集]

おもしろすぎます!

前回の記事の締めの一文といい、今回の記事といい、管理人様、おもしろすぎます!
これからも”全開”の記事、楽しみにしています。
  1. URL |
  2. 2012/06/19(火) 21:13:58 |
  3. かめ #-
  4. [ 編集]

管理人様、こんにちは。

私が考えるに、現在の1位から3位までの差は、ショットの精度の差(言い換えれば、下半身のしっかり度の差)であり、上位3人と4位のマレーとの差は、技術面ではなくて、一途にメンタルの差だと思っています。

2003年前半までのフェデラーもメンタルが甘く、才能を思いっ切り持て余していましたが、どうやら現夫人との出会いが、良い契機になったようですね。

だから、マレーにもきっと来ると思います、確変の時は。
昨年の楽天の決勝は現場で見ていましたが、ナダルに何もさせないマレーの強さには本当に圧倒されました。本当にノンプレッシャーなら強いです、マレーは。



  1. URL |
  2. 2012/06/20(水) 20:09:07 |
  3. medaka #-
  4. [ 編集]

現役時代のトニー・ローチが

目前でプレーしているのを観たのは私ぐらいでしょうな、ここの住人では。
彼にとって現役最後の時代でしたが、Dunlopのアルミフレームラケットでしたね。
ジョン・ニューカムと組んだダブルスでは無敵でしたね。
ちなみに彼はLeft handedなんですが、ファーストからすごくスピンをかけるサーブなので、ダブルスには向いていたようです。あと、ヴォレーの上手さが印象的でしたね。
NSWオープンでは、ゲルライティスと対戦していたような記憶が。
  1. URL |
  2. 2012/06/21(木) 12:02:18 |
  3. White City #o/PXu/q6
  4. [ 編集]

皆様、コメントをありがとうございます。

いよいよウィンブルドンもスタートします。
ドロー発表は金曜日とのことなので後少しです。

今回は場合によってフェデラーもナダルもランキング1位になる可能性があるようです。
マレーはさすがに少し遅れを取っていますが、活躍を期待したいところです。
  1. URL |
  2. 2012/06/21(木) 13:41:38 |
  3. Au-Saga #3/VKSDZ2
  4. [ 編集]

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