レンドル最強説&フェデラー最強説blog

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レンドルのバックハンド

ブログ更新の方では長いブランクもありましたが、
実はこのところ古いテニスの試合を結構観てたりしてます。
ブランクからの復帰の一環という意味もあり
ここは敢えて「レンドル」を取り上げたいと思います。

lendl-back2a.jpg
レンドルといえばサーブもフォアハンドも超一流でしたが
その特徴の一つに片手打ちバックハンドでありながら
ストロークで天下を取ったというのがあります。

トップ選手に片手打ちバックしかいなかった時代はともかくとして
70年代に両手打ちバックハンドの選手が登場してからは
片手打ちの選手がストロークで頂点に達した例は他にないんじゃないでしょうか。
唯一フェデラーが、強引にそこに分類できなくないかもしれませんが
やはり根っこはオールラウンダーですし、ストロークで天下を取ったというのとは違う気がします。

フェデラーの場合はオールラウンド性能に加えて巧いバックハンドと強烈なフォアハンドで
他のストローカーに対応していました。
両手打ちのバックハンドに片手打ちで真っ向から対応できていたわけではないと思うのです。

そこへ行くとレンドルは、片手打ちでありながら両手打ちと全く互角かそれ以上の対応を見せていました。
確かに時代による両手打ちバックの進化の度合いもあると思います。
後の時代になればなるほど両手打ちの質も向上しますし、絶対的な人数も増えますから
両手打ちにパワーバランスが傾いていくのも自然のことといえるのです。

しかしレンドルの時代に有力な両手打ちの選手がいなかったわけではありません。
両手打ちバックの頂点の選手といえば、70年代はコナーズ、80年代はビランデル、
90年代はアガシ(一般には。個人的にはリオスという評価もありだと思う)、2000年代はサフィン、
そして2010年代はジョコビッチ、ほぼこのメンバーでよいでしょう。

このうちレンドルは90年代初頭の選手までと対戦していました。
特に後年、アガシ、クーリエなどパワー化した両手打ちの選手とのストローク戦では
バックハンド同士の打ち合いでレンドルが全く打ち負けていないばかりか
クロスクロスの打ち合いから必殺のダウンザラインを決める場面がしばしば見られました。

もちろん、現在の感覚からすればラリーのスピードは緩く、スライスの多用もあります。
冷静に見れば時代を感じさせる部分もあるのですが、ショットそのものはレベルが高く、
当時のアガシのバックハンドが決して現在では通用しないものではありませんでした。
私はもっとレンドルがスライスを多用して打ち合いをかわしているのかと思いましたが
フォアでもバックでも構わず結構ガチで打ち合っている場面が多いのが印象的でした。
フェデラーがジョコビッチ等と対戦するときにフォアを主体に試合を組み立てるのとは随分と違います。

レンドルのストロークは同時代随一のもので、多くの選手は真っ向からの打ち合いを避ける傾向にありました。
その最たるものはコナーズやビランデルで、両者ともにかなり強いストロークを持っているにも関わらず
ラリーでは粘りのショットやカウンターを主体に応戦し、
チャンスがあればすぐにネットというスタイルでレンドルに対応していました。
特にビランデルはかなり強いバックハンドを持っていましたが、ガチでの打ち合いはほとんどしませんでした。
ノアなど同時代の他の選手は、逆にビランデルとの打ち合を避ける傾向にありました。
これはもちろんビランデルにストローク戦で挑んでも敵わないからなんですが、
そのビランデルが打ち合いを避けたのがレンドルだったのです。
もっとも、コナーズやビランデルは緩急を絡めたショットやネットを含めたオールラウンドでの対応が可能だったので
相手選手によって柔軟にプレーを切り替えたという点はまた別の意味で評価できる部分ではあったでしょう。
ストロークしかない選手だと最早レンドルには打つ手なしだったということになるわけです。

このように真っ向からの打ち合いで片手バックが両手バックを凌駕していたというのは他に中々例がありません。
敢えて、昨年2015年全仏のバブリンカvsジョコビッチはそれに近いものがあったといえなくもありません。
しかし、実質1試合だけでの判断は正しい評価を示しているとはいえません。
両者の全体の対戦を見ればバブリンカがジョコビッチを抑えてストロークの頂点にいるとはとても言えないのが実情です。
すなわち、片手打ちバックの最初にして最後、最高にして最大の存在こそがレンドルだったと言ってよいでしょう。

さてその中で、私が観た非常に効果的な両手打ちバックでレンドルに対応できていた選手がいました。
同じチェコのメチージュです。
厳密にいえば、ばっちり対抗できていたわけではなく対戦成績でも結局は歯が立たなかったので、
前述のバブリンカとジョコビッチの力関係に似ているのですが、
それでも場面場面では面白いようにレンドルを翻弄していました。

mecir-3a.jpg
メチージュのラリーは基本的にカウンターです。
現在の基準ではそのショットには力強さを感じさせません。特にフォアハンドでそれが顕著です。
パッと見、あまり強くなさそうな雰囲気を漂わせていたのも事実です。
一方でその両手バックは合わせるのがうまく、時には力強いショットも打ちました。
簡単に言うと、緩いショットと強いショットを同じフォームから打てたのです。

レンドルとの打ち合いでは、バックvsバックの展開になった際に、
結構がっつりと打って、しかも打ち負けない場面が意外と多くありました。
柔軟なショットのおかげで、レンドルの多彩で強弱を織り交ぜたラリー展開についていくことができたのです。
メチージュ自身、当時最速と評価されたフットワークの持ち主であったのもあります。
それでも、最終的にはほとんどの試合で攻略されてしまい、最後まで完全なレンドル打破とはならなかったのですが
両手打ちバックハンドで最も効果的にレンドルに対応した選手だと感じました。

chang-3a.jpg
その他の選手では、チャンが少しこれに近いタイプと感じました。フットワークが時代随一であったのも共通です。
しかし、意外やチャンは長いラリーで粘るスタイルではなく多彩な仕掛けを行うプレースタイルでした。
もう少しメチージュのようにラリーに付き合って粘る展開があればまた別だったのでしょうが、
チャン特有のあれこれと思案した多彩な仕掛けが、結果として老獪なレンドルに巧く攻略されてしまう場面が多くありました。
有名な全仏での勝利は奇襲の連続ともいうべき異例の展開でしたので、さすがにラリーを制したという感じではありませんが
唯一、グランドスラムカップでの激戦のみは、メチージュの戦い方をかなり有効に活用してみせた面白い試合だったと思います。
この試合のチャンは、バックハンドのカウンターが冴えてました。
試合がインドアの速いコートで行われたというのも影響したのかもしれません。

さて、メチージュに話を戻します。
合わせるのがうまく、守備力抜群でありながら強いショットも打てるというそのバックハンド。これは特徴として大きいです。
これを拡大したのが、後の史上最高のショット、フェデラーのフォアハンドであることは間違いないでしょう。
フェデラーのフォアについて語り出すとこれまた大変長くなるので詳細は別の機会に譲ることにしますが
簡単に言うとインパクトで肘を曲げないそのショットは、柔軟さを武器にしたネットプレイヤー特有のもののはずでした。
基本「柔軟さ」なんですね。にもかかわらず、あの強烈な威力を持ち合わせているとは、これがもう別格と感じさせる凄さなのです。

で、メチージュのバックハンド。フェデラーのフォアの系統に属する有効なショットであるにも関わらず、
レンドル攻略に今一歩至らなかったのは、その威力がそこまで充分ではなかったというのが大きいでしょう。
あの打ち方で、なおかつもっと強く打ててれば最強にして最高のショットになったはずなのです。
さて、そうしたショットですが、実はあるんです。
皆さん、想像できるでしょうか。ある程度わかっている人もいるかもしれませんね。
長文になったので記事を2回に分けます。

次回はこちら

ジョコビッチのバックハンド


次回予告で既にネタバレとは・・・


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  1. 2016/04/25(月) 19:51:58|
  2. テクニック
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  4. | コメント:0
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